宮坂祐介大使より新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
皆様方にとりまして今年一年が素晴らしい年となりますよう心より祈念しております。
昨年は、「日・カリコム交流年」(2024年)に引き続き、ハイレベルでの要人の往訪が行われたほか、開発協力や文化交流の分野においても両国の友好親善関係を一層深めることができた一年となりました。7月には、英利外務大臣政務官がバルバドスを来訪し、ハンフリー国民強化・高齢者問題大臣及びハズバンズ研修・高等教育大臣と会談し、高齢化等の両国共通の社会課題や国際社会が直面する新たな課題の解決に向けて協力していくことを確認しました。また、9月には、大阪・関西万博2025において、バルバドス・ナショナルデーイベントが開催され、マコーニー経済・投資大臣が出席されました。バルバドス館には、延べ80万人以上の方が来館され、バルバドスの文化等に触れていただくことができました。
開発協力の分野においては、対バルバドス草の根・人間の安全保障無償資金協力案件として「路上生活者支援施設兼防災シェルター整備計画」が実施され、さらに第二弾として「自閉症者支援施設兼福祉避難所整備計画」が、まもなく締結される予定です。
また、一昨年のハリケーン・ベリルによる損壊からの復興支援として、我が国の出資により、米州開発銀行日本信託基金「災害に強靭で持続可能な統合沿岸域管理(ICZM)政策実施支援」プロジェクトや令和 6 年度補正予算「UNDP 連携バルバドス国沿岸漁業強靱化プロジェクト」等が始動しました。これらは、ハード面での復興事業だけではなく、日本企業による災害に強い漁船の紹介など、災害大国としての我が国の経験や技術の共有等、ソフト面からの支援も含む包括的なプロジェクトとなっています。
さらに、昨年9月には、日本国政府とカリブ災害緊急管理機関(CDEMA)との間で水防災・水管理分野に関する覚書が署名されました。カリブ諸国はハリケーンの常襲地域であり水災害が多発している一方で、島国であることから水資源が不足しており水の有効利用等が課題となっています。今後、これらの分野に関する日本の技術・ノウハウの活用等を通じて、カリブ地域の発展に寄与できるよう当館も引き続き支援を行ってまいります。
文化交流の分野においては、3月には天皇誕生日レセプションを初めて大使公邸において開催し、日本人シェフによる和食や日本酒、日本産ウイスキー等を体験していただきました。また、4月にはバルバドス・コミュニティ・カレッジ(BCC)において「Read Japan Project」による日本の図書の寄贈を行いました。11月には第2回日本祭りを開催し、けん玉などの伝統的な日本の遊びや着物や書道、茶道などの日本文化の紹介を行いました。会場では、バルバドスの松濤館空手クラブや沖縄県文化交流代表団による沖縄空手の演武もご披露いただきました。さらに、同代表団とのコラボによる健康長寿食「琉球料理」試食レセプションの開催、幻想尺八家入江要介氏による尺八公演も行われ、多くのバルバドスの方に日本文化に触れていただく機会を設けることができました。これを契機として、気候や地勢をはじめ、健康長寿といった社会課題にも多くの共通点を有する沖縄県とバルバドスの交流が進むことを願っています。
また、「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」等の交流事業には、昨年も多くの若者が応募していただきました。JET参加者は、日本の各地域の学校で語学指導や国際理解教育に従事することになりますが、それだけでなく地域社会に多様な価値観や文化的視点を提供する役割も担っています。これにより、日本の若者の国際的視野の拡大が図られるとともに、地域における国際化の推進にも大きく寄与しています。バルバドスに帰国した若者には、それぞれの分野で日本での経験や学びを活かして活躍していただきたいと思いますが、せっかく日本について多くのことを知っていただいたわけですから、是非日本とバルバドスとの架け橋にもなっていただきたいと考えています。そこで、昨年6月に新しい取組みとして、JETAAを設立しました。当館主催のイベントへの参加など今後の活発な活動を期待しています。加えて、昨年は、西インド諸島大学(UWI)やBCCにおいて、日本語講座が開講されるなど、喜ばしい出来事が相次ぎました。
最後に、昨年は、当館にとっても大きな転換の年となりました。特に、管轄国がバルバドス一国からアンティグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネービス、ドミニカ国も含めた四か国に拡大したことは、当館の業務にとって量的にもまた質的にも大きな変化がありました。当館として必ずしも至らない面があったかと思いますが、多くの方々にご理解をいただき、業務を進めることができましたことをあらためて御礼申し上げます。
今年は、これまでの取組みを着実に推進するとともに、日本の企業の当地への招致も含め、多くの面で両国の関係の一層の緊密化を図ってまいりたいと考えておりますので、ご支援・ご協力の程宜しくお願い申し上げます。
令和8年1月
駐バルバドス日本国特命全権大使
宮坂 祐介