公館長挨拶
令和4年4月25日

此の度日本大使としてバルバドスに着任しました福嶌 香代子(ふくしま かよこ)です。バルバドスはカリブ海の最も東に位置する島国で、サンゴ礁が広がる青い海と白い砂浜のビーチが美しい自然に恵まれた国です。コロナ禍の前には欧米から多くの観光客が訪れ、日本人観光客も訪れていました。
日本は1966年のバルバドスの独立と同時に同国を承認し、翌1967年に外交関係を樹立しました。その後、両国の間では良好な関係が築かれてきました。以前は近隣国の日本大使館がバルバドスを兼轄していましたが、2016年にバルバドスに当館が開設され、私の前任の品田光彦大使が初代大使として着任しました。2019年にはサンドラ・メイソン総督(現大統領)が訪日し、即位の礼に参列しました。バルバドスは、1966年の独立以降、旧宗主国である英国のエリザベス2世女王を憲法上の国家元首とする立憲君主制国家でしたが、ミア・モトリー首相のリーダーシップの下昨年11月30日に共和制に移行し、それまで英国女王の「代理」としてバルバドスの総督を務めていたサンドラ・メイソン女史が共和国の初代大統領に就任しました。共和制への移行後も世界が様々な課題に直面している中で日本とバルバドスがともに 平和、自由、民主主義を尊重する、基本的価値観を共有する国同士として友好・協力関係を一層強化していくことが重要です。
観光業が国の主要産業の1つであるバルバドスは、コロナ禍により深刻な打撃を受けています。ワクチン接種が始まったころ、バルバドスでワクチンへのアクセスが限られ、接種が進まないという問題にも直面していたため、昨年、日本は、2回にわたりバルバドスにおけるワクチン接種率向上のため、他の主要国と歩調を合わせてCOVAXファシリティーを通じたバルバドスへのワクチン供与に協力しました。また、UNDPを通じてバルバドスを含む島嶼国の海藻(サルガッサム)除去を支援するプロジェクトに拠出協力を行っています。
コロナ禍の中にあってもスポーツや文化等の分野での交流は続いています。昨年開催された東京オリンピック・パラリンピックには、バルバドスから十数名の選手団が訪日しました。「文部科学省(MEXT)国費留学生」や「語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)」にも多くのバルバドスの若者の応募があり、合格者が渡日し、日本で勉学や英語の指導に励んでいます。
こういった協力や交流の灯を絶やさず、両国の絆を深めていけるよう、精一杯取組みたいと思いますので、御支援・御協力の程よろしくお願い申し上げます。お気付きの点や御質問、御相談があればお気軽に当館 (代表電話: +1-246-538-5700、Eメール: barbados@rt.mofa.go.jp)までご連絡下さい。
令和4年4月
駐バルバドス日本国特命全権大使
福嶌 香代子
<略歴>
1981年 上智大学卒業後、外務省に入省。米国での研修(フレッチャー法律外交学院で修士号取得)を経て、国連、広報文化、開発、環境、科学技術等の分野での外交に携わる。海外では、アイルランドとタイの日本大使館、ニューヨークの日本総領事館等に勤務。国連に2度出向し、2003年~2006年、国連大学プログラム・オフィサー、2015年~2017年、UN Women日本事務所の開設に伴い、同事務所の初代事務所長を務める。2017年~2019年、外務省外交史料館館長。2019年~2022年、在ナッシュビル日本国総領事。
2022年より現職(駐バルバドス日本国特命全権大使)。