宮坂祐介大使より新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。皆様方にとりまして今年一年が素晴らしい年となりますよう心より祈念しております。
昨年4月から、当館においてアンティグア・バーブーダを兼轄することになりました。我が国がアンティグア・バーブーダと外交関係を樹立してから今年で44年目となります。自由と民主主義という共通の価値観に基づき築かれてきた両国の友好関係は、長年にわたり着実に深化してまいりました。
その中で、特に昨年は、両国の関係が一層緊密となった一年となりました。9月には、大阪・関西万博2025において、アンティグア・バーブーダのナショナルデーイベントを開催しました。グリーン外務・貿易・バーブーダ島問題大臣の開会挨拶に続き、伝統的な太鼓やスティールパン演奏とダンスが披露され、ソカ歌手ティアン・ウィンター氏のパフォーマンスに会場が沸きました。訪日中、グリーン大臣は、岩屋毅外務大臣と会談を行い、両大臣は、小島嶼国の脆弱性克服及び持続的発展に貢献する二国間協力について、引き続き進展させていくことを確認しました。また、9月には、日本国政府とCDEMAとの間で水防災・水管理に関する覚書が締結されました。自然災害の多い国として、日本はこれまでの経験や技術を共有することで、アンティグア・バーブーダの防災対策に貢献していきたいと考えております。
我が国とアンティグア・バーブーダは、いずれも島嶼国であり、両国は特有の脆弱性に直面しております。そうした共通の課題が、漁業、水資源管理、防災、気候変動への強靱性強化といった重要分野における有意義な協力を生み出してまいりました。これらの協力には、保健、防災、水の安全保障などの分野における国際協力機構(JICA)による能力強化支援、カリコム事務局やカリブ災害緊急管理機関(CDEMA)への専門家派遣が含まれております。特に、近年深刻化するサルガッサム海藻の大量漂着への対応として、昨年8月には最新鋭の水生植物回収船(ハーベスター)が調達され、日本国際協力システム(JICS)による訓練が沿岸警備隊を支援する形で実施されました。また、経済社会開発計画の下、2件目の海水淡水化装置調達プロジェクトが始まり、アンティグア・バーブーダにおける水供給の確保に向けての取組みが進んでいます。
さらに、日本の国際協力銀行(JBIC)の支援を受けた日本の民間企業が、小規模分散型水循環システムの実証事業を進めています。昨年11月には、同国政府と当該企業との間での事業化実証の共同実施がアナウンスされており、アンティグア・バーブーダの水問題に対する革新的な解決策となることを期待しています。
また、アンティグア・バーブーダの方々が、JETプログラムや日本政府(文部科学省)奨学金制度に参加されていることを大変喜ばしく思っております。これらの取り組みは、文化交流と学術的発展を促進する重要な架け橋であり、両国国民相互の理解を一層深めるものとなっています。私たちとしては、今年もこうした取組みを着実に進めてまいりたいと考えています。
最後に、当館は、今年管轄を引き継いだばかりということもあり、必ずしも至らない面が多々あったかと思います。一方で、多くの方々にご理解とご協力をいただき、業務を進めることができました。あらためて御礼申し上げますとともに、引き続きご支援・ご協力の程宜しくお願い申し上げます。
令和8年1月
日本国特命全権大使 宮坂 祐介